D-solo

ホワイト企業を一年でやめて自由に生きる人の日記。データサイエンスを愛し、生き方にこだわっています。

【解説】失敗の本質 ~適応の落とし穴~

こんにちは、d-soloです。


いきなりですが、ダーウィンが残した
“最も強い者が生き残るのではなく、
 最も賢い者が生き延びるのでもない。
 唯一、生き残るのは変化できる者である。”

という一説をご存知の方も多いのではないでしょうか。
私も含めて、「環境への対応が大事なんでしょ?」というくらいの認識の方が多いと感じています。
この一説の本当の深さとは、
「過去にどれほどうまくいっていた手法や考え方も、捨てなければならないときがある」
ということなのです。個人でも自身の成功体験を疑うのは難しいですし、組織になると実績のある手法を切り捨てるのは非常に困難でしょう。

少し前置きが長くなってしまいましたが、今回は「失敗の本質」(中公文庫 1984年出版)について解説します。
本書は、大東亜戦争(太平洋戦争の日本側の呼称、以下では太平洋戦争)における、日本軍の組織としての失敗を分析し、戦争に限らず私たちが学ぶべき組織の教訓として活用しようという狙いがあります。
まず、この時点で着眼点が面白いと私は感じました。

書籍「失敗の本質」の結論は以下になります。
「適応は適応能力を締め出す」

少し意外かもしれません。適応することが生き残る術じゃなかったのか!?
と思う方もいるかもしれません。
しかし、時代に即して作った「勝利の方程式」も時間の変化で
使い物にならなくなることは多々あります。

本書で指摘している日本軍の組織としての問題点について解説します。
次に、結論とのつながりについてまとめを話します。
最後に、d-soloなりの考察をつけたいと思います。
では、いきましょう。

日本軍の組織としての問題点

1.学習を軽視した組織

自由な議論が許されない風潮があり、軍人は決められたことを覚えて、その通り行動することが求められました。
これでは、未知の状況に対してどのように対処すべきか、といった準備はできず、教科書から外れた途端に戦況は厳しいものとなりました。
原因は、当時の教育システムにもあるでしょう。
日本の軍人教育では教官から習ったことが絶対であり、士官たちは用意された答えを覚えることが求められていました。
自分の頭で状況整理して、解決策を検討したりする機会は与えられず、そもそも検討することの重要性について考える機会もなかったかもしれません。

また、情報共有の範囲が極めて狭く、ノウハウについては直接話す仲間内の範囲に留まりました。
これでは、せっかくの戦場の経験を組織として、うまく蓄えることができません

2.あいまいな目標や指示をしない(命令に行間を持たせる)

一般に日本軍の目標はあいまいであり、どこを優先的に守り、どこを優先的に攻めるのかがわからないものが多かったのです。
中央の参謀と実施部隊の参謀の間で詳細を詰めることが通例だったようですが、「実施部隊の自由裁量を許容する」という方向で進められていました。
大規模な作戦においても、この「察し」を基盤とする意思疎通がまかり通っていたのは、総本部である大本営から伝えられる戦略目的があいまいであったからです。

戦況が厳しくなった場合に撤退を指示するときにも問題が起きていました。
大本営から撤退を明示的に命じては、実施部隊のメンツが潰れてしまうと案じ、
あくまで自主的に戦術的撤退をするよう促すために、
「撤退してもいいんじゃないか」くらいの連絡をするのみ留めることがしばしばありました。
このあいまいな指示により、撤退指示が遅れてしまい
不要なダメージを負ったことは言うまでもありませんでした。

結論とのつながり

日本は太平洋戦争の前、日清・日露戦争第一次世界大戦と負けることなく、うまく切り抜けてきました。
白兵戦では特に勇猛果敢で、他国から恐れられていました。
ここで日本は、勝ち方を学びました

しかし、第一次世界大戦から第二次世界大戦の間で、
戦い方に大きな変化が起きました。
軍事兵器の近代化です。
無線も、暗号解読技術も進歩し、日本の通信は簡単に解析されていました。
戦いの中心は航空機に移行し、艦隊同士での決戦はメインではなくなりました。

太平洋戦争では日本軍にとって、自分たちが経験した戦争で成功した方法を使って戦っても、成果が出なくなってしまっていたのです。
これが日本軍の組織としての失敗の理由のまとめになります。

d-soloの考察

現在の日本とも重なるところが多すぎて、本当に普遍的な内容なのだと感じました。
何度も、出版年を確認しましたが、36年前(1984年)の本です。

日本はこのあとバブル景気(ざっくり1986年〜)を迎えます。
それから崩壊と、長い長い低経済成長時代に向かいます。
つまり、私たちはこの書籍の後に日本の世界経済への台頭と、凋落を見ているわけです
それでも、組織としての普遍的な失敗は残っているのです。

日本では太平洋戦争に対して、軍事政権で進んだ結果の過ちであり、
今の日本の体制とは違う、といった認識があるように感じます。
実際は、軍事政権の失敗の特徴の多くは、今の組織にも当てはまるので、私たちは向き合っていかなければならないと思います。

最後に、非常に印象に残った一節を引用して締めたいと思います。

“予測のつかない環境の構造的変化が起こりつつある今日、
 ・・・中略・・・
 異質性や異端の排除とむすびついた発想や行動の均質性という日本
 企業の持つ特質が、逆機能化する可能性すらある。”

少し難しい書き口ですが、言いたいことは
「最近は変化が激しいので、ダイバーシティを認めないことが悪い方向に進むことになるかもしれない。」
ということです。
これは今のビジネス書にも山ほど書かれている内容でしょう。
36年前から問題に気づき、書籍まで出している人たちがいることにとても感動しました。

変化を認めて、新たな世界に適応し続けていきましょう。
適応能力こそが生き残るための唯一の武器なのですから。

文章の書き方には必勝法がある

こんにちは、d-soloです。

突然ですが、みなさん
文章を書くのはお得意ですか?

多くの人は「うわ、やめて」と思ったのではないでしょうか?
特に理系にとって、文章とは恐怖の対象そのものですよね。
しかも、頑張って書いてみたものの、明らかにわかりにくい文章ができあがる。という経験がある人は多いのではないでしょうか?

文章というのは人間が生きていく上で欠かせない技術であるにも関わらず
多くの人が十分な教育を受けていないと感じています。
現に私も大学まで通っても、文章の書き方を学ぶ機会はあまりありませんでした。

そこで今回の記事では、私が文章を書くのがうまい人から学んだ書き方を紹介したいと思います。
私は主に、就活生時代にエントリーシートの添削を何度も(本当に何度も)してもらう中で気がついた方法論に基づいて話を進めます。
後に、新社会人の研修で学び直したり、ビジネス系YouTuberのサラタメさんやマコなり社長さんも似たような話をされていて、私の中ではとても信頼性が高いと思っています。
また、このブログ作成や論文執筆のときにもとても活用しています。

いきなりやり方を話してもピンとこないと思いますので
まず、なぜ私たちがうまく文章を書けないのかを整理した後に、
具体的にどうすれば、わかりやすい文章を書くことができるのかについて説明していきます。

では、いきましょう。

なぜうまく文章を書けないのか

結論を先に言ってしまうと、やり方を学んでいないからです。
強い言葉を使うと、才能なんてなくても文章は書けます

例を挙げると、
前の会社にいたときの研修で、資料をまとめるときに
いきなり報告書の頭から書き始めて、最後の結論のところで
“うーん、うーん”と悩み始める人がたくさんいました。
正直、私は驚きを隠せませんでした。

結論が決まらずして、導入も具体例も決まるはずがないのです。
なぜなら、導入も具体例も全て結論を支えるための土台なのですから。

私たちは学校で、人に伝えるための文章の書き方を学んでいません
文章に限らず、きちんと順序立てて人に説明する訓練を積んでいません。
その結果、自分が考えた順番で相手に伝えてしまっているのです。

しかし、「自分が話しやすい順番」と「相手が理解しやすい順番」は異なのです。
順番の食い違いがあることをしっかり理解しておいてください。

次に具体的な方法について考えていきましょう。

わかりやすい文章の書き方

重要なことは、できるだけ早い段階で
「話の全体像」を相手に伝えることです。
もっと大きいな表現で言うと、読み手にとって読みやすい文章を書くことが重要です。

文章を最後まで読まないと何を言いたいのかわからないようでは
文章が長くなると、途中で読むのをやめてしまいます。
くれぐれも間違いがないように補足しておくと
映画や小説などとは、根本的に考え方が違います。
芸術に関するものは物語や表現技法にこだわります。
私がここで話す文章の書き方は、情報を伝えることに重きをおきます。
実際、推理ものの映画で最初の方に誰が犯人か教えられたら興ざめです。
一方で、仕事で報告を受けるときに、メールやチャットの最初に
「〇〇の件についての報告になります。△△という方針で進めたいと思っています。詳細は以下になります。」
と書いてくれると非常にありがたいです。

念のため悪い例も出しておくと、
「〇〇の件でご報告になります。先日の打ち合わせで〜〜〜。先方の担当者が〜〜〜とおっしゃっていて、、、
〜〜〜
以上のことを踏まえまして、△△の方針で進めたいと思っています。
〜〜〜」
といったような文章でしょうか。
一見、論理的な文章に見えてしまいそうですが、結論がくるまで何が言いたいのかを想像しながら読まないといけないため、読み手に負担の多い文章になっています。

結論から書いた方が良いのはわかっていただけたと思います。
しかし、実際にやるのは難しいよ、と思っている方も多いと思います。
そこで d-solo オススメの方法を紹介したいと思います。

準備と完成品をわける

最初からきれいに書こうとするのをやめましょう。
“準備”と“完成品”を分けて考えることで内容を整理することができます。

まず伝えたい内容を、頭に浮かんだ順番で良いので残さず書き出してください。これが文章を作る際の“準備”になります。
次にそれらの文章の結論を考えます。複数あっても構いませんが、できる限り短い表現でまとめましょう。
結論を支えるための理由が、“準備”に足りなければ付け足しましょう。

素材が揃いましたら、“完成品”に取り掛かりましょう。
初めの二行で結論を言い切りましょう。
次に、結論を支える部分の要約(導入)を短く入れます。
あとは導入した通りに詳細な情報を書いていきます。
(対応関係がわかるように番号を振ったりするのもおすすめです)

「忙しいんだから、こんな面倒くさいことできないよ」
と思っている方もいるかもしれません。
私は逆だと思います。質の低い文章しか書かないから、忙しいんだと
慣れれば、頭の中で構築できるので“準備”は簡素なもので済みます。

最後に

読み手のことを考えた文章というのが、一番重要な心構えだと思います。
これは文章に限らず、「消費者のことを考えたサービス」と抽象化できると思います。
何かをアウトプットするときは、受け手が存在することを常に考えることが
良いものを作り出す一つの道標になると思っています。

文章を書くときに、気がついたら「結論から申しますと、」と書けるようになってくれると望外の喜びです。
多くの人が、受け手のことを考えたサービスを作れるように祈っています。

留学経験者が語る、英語を話す「コツ」

こんにちは、d-soloです。
今回は英語について話してみたいと思います。
私は学生時代に香港とオランダに留学し、日常生活だけでなく研究関連の仕事をこなせる程度には英語を話せるようになりました
ちなみにですが、「受験勉強時は英語が苦手」で、理系の私にとって英語はずっと足を引っ張る科目でした。そんな私でも話せるようになっています。

この記事を読んでいる方の多くは、
「英語を話せるようになりたい。。。けど、自分に難しい。。。」と思っているのではないでしょうか。
この記事では、英語を練習する上での考え方と、話す前には気がついていなかったメリットについて語りたいと思います。
英語の勉強法は巷に溢れてしまっているので、怪しい方法論については話しません。私が話すのは、あくまで心構えです。

では、いきましょう。

英語に対する考え方

日本語を覚えたとき同じ」、この考え方に尽きると私は考えています。
子供の頃に日本語を覚えたときと比べて、英単語はある程度すでに勉強済ですし、日本語という別の方式で情報を得ることができるので、遥かに簡単です。
一つ言えることは英語で話せるようになるには、英語を話すしかないということです。
最近だと、ネットを使って15分単位でビデオ英会話ができますので、まずやってみてください。
気をつけるべきポイントを3つピックアップしましたので、ぜひ参考にしてください。

聞こえた通りに言う

みなさん、文字を追いすぎです。まさか日本語を話すときに文字を頭に浮かべて話したりしてませんよね?

できるだけ文字に直さずに、聞こえた通り発音してください(日本語でもそうだったと思います)。
単語もそうですが、フレーズ単位でも、慣れてくれば文単位でも、よく使われる形がわかってきます
自分が話せる内容は聞き取ることができるので、リスニングの能力の向上も見込めます。

間違えてはいけないという勘違いを捨てる

はっきり言います。何も言わないと情報量が0です。とにかく伝えたいことを話して下さい
少々おかしくても、いろいろな言い回しで言ってくれれば意味が取れます。

間違いに対する恐怖心は、日本の教育システムの最大の害悪です。
あなたは外国の方が日本語でたどたどしく話しているときに怒ったり、変に思ったりしますか?
「意味がわかれば大丈夫」と思いませんか?
しかし、自分が話す立場になると文法の細かいところに目がいき、十分な情報量を出すことができなくなります。

仮に文法が正しかったとしても情報量が足りないので、聞き手は意味を汲み取ることができません。
これが日本人の英語が通じない、メカニズムです。

うまく言えなくても落ち込まない

英語を話すことは自転車に似ていると思います。
初めは誰だってこけたり、フラフラしたりするものです。
私自身、英語でうまく言うことができず恥ずかしい思いを数え切れないほどしました
相手が悪いのに説明することができず、悔しい思いをしたこともあります。

うまく言えなかったときは、チャンスです。
どう言えばよかったのか、しっかり復習すれば良いのです。
変なプライドは捨てましょう。
「己が下手さを知りて一歩目」なのです。

絶対にやめて欲しいこと

逆に上達を妨げる考え方もありますので、簡単に紹介しておきます。

発音にやたらとこだわる

どんなに練習してもどうせネイティブスピーカーにはなりません。
あくまで聞こえた通りに発音する範囲で十分です。過度に発音記号を見ても伝わりやすさへの貢献は薄いです。

ペーパーテストの勉強をする

なぜ今、英語を話せないのかを胸に手を当てて考えてみてください。
何年も失敗してきた内容をいまだに続けようというのなら止めませんが、おすすめはしません。いや、やっぱり止めます、やめて下さい。

英語を話すようになって気がついたメリット

他の国の人と直接コミュニケーションをとることができる

はっきり言います。人が訳した内容と直接聞いた内容とでは、天と地ほどの差があります。
日本語訳された内容は、日本人が理解しやすいように補足や省略がなされています。生の声には程遠いのです。
日本という国を客観的に見ている方々と話すと、日本について見直す機会にもなりますし、他の国についても「ここに住んでいる人たちは、そんなところに不満を持っているのか!」なんてことがよくあります。
自分がいかに偏見を持って、「ここの人はこう」と決めつけて考えていたかに気がつき、場合によっては恥ずかしい気持ちになったこともありました。

違う自分に出会える

英語をよく話す人の中では、共感してもらえることが多いのですが、私は英語で話すとかなりノリが変わります
端的に言うと陽気になります。
頭の中に日本語を介さず直接英語で話すようになってしばらくしてから、日本語で話してるときは言わないようなフレンドリーな言い回しが増えていました。
第二言語だと複雑な言い回しを使うことができず、自然と率直な意見を述べることになっているのかもしれません。

最後に

当たり前のことになりますが、どれだけ英語を練習しようと日本語レベルが上限になります。
何が言いたいかというと、どの言語で話しても自分の中に入っていることしか話せないということです。
何語で話そうが、論理的な思考法や聞き手を意識した話し方は常に重要です
英語での練習を通して、言語運用能力をアップグレードしてみてください。

【研究者が解説】なぜ0と1でコンピュータが動くのか?

こんにちは、d-soloです。みなさんはコンピュータとは何かと聞かれたら、意外と答えづらいのではないでしょうか?パソコンやスマホは毎日使っているが、0と1の世界からなぜこんなにも高度なことができるのか不明なのではないでしょうか?この記事では少しでもわかった気になれるように噛み砕いて説明したいと思います。本質的に理解しようと思うと大学の講義を一年取らないと厳しいと思うので、雰囲気だけでいきたいと思います。
まずデータはどのように0と1から表現できるのかを説明します。次にCPUを使った処理とは、何をしているのか述べて、最後に記事のまとめを話します。では、いきましょう。

0と1だけ? いやそれで十分

結論を先に言ってしまうと、読み方のルールさえ決めてしまえば0と1の表現力は他のすべての文字を使った場合と変わりません。まず、0と1だけを使う理由から話します。これはコンピュータが電気回路を用いることに起因しています。電気が流れるところは1、電気が流れないところは0、を意味します。みなさん、なんとなく知っているところだと思います。次に表現力についてです。2進数という言葉をご存知でしょうか。そんなに深く話さないので“2進数”という言葉に怯えないでください。。。私たちが普段使っているのは10進数(0,1,2,...,9)で、10数えたら繰り上がりという方式です。なので、10進数と2進数の対応関係を書くと、

10進数→2進数

   0→0
   1→1
   2→10
   3→11
   4→100
   ...
  20→10100
といったように使う数字が少ないので桁数はどんどん増えていきますが、どんな10進数の数字も2進数で表現できます。アルファベットの文字列も同じ理屈で説明できます。26文字ありますので、2進数を5桁(2の5乗=32通り)で表現できます。

アルファベット→2進数

   A→00000
   B→00001
   ...
   Z→11001
つまり、2進数を5文字ずつ読めば、アルファベットを完全に表現できます。とても単純なケースですが、0と1で十分なのはわかっていただけたでしょうか?

<余談>

0と1の話とバイトの関係性を簡単に説明しておきます。情報系の単位として、まず0と1を一つ保存できるものを1bit と言います。3bit なら001や101などです。これを塊にして8bit を1byte と呼びます。byte(バイト)は聞いたことがあるのではないでしょうか。これが10億個集まると G byte(ギガバイトとなるわけで身近な響きになるのではないでしょうか。

私たちの脳というか体も電気信号によって、細胞が反応することの組み合わせによって成り立っています。これは細胞レベルでシミュレートできるようになれば、生き物自体も電子的に再現できそうに思ってしまいます(現状、まだまだ難しそうですが)。


コンピュータ内の処理はどのように実行されているのか?

結論、足し算や読み出し書き込みなどの簡単な命令を、何十億と重ね合わせて実行されています。コンピュータで脳の役割を果たす CPU はみなさんご存知だと思います。コンピュータでは CPU に等間隔に命令が入力され、その間隔をクロックと呼び1秒間に何十億という命令が読み込まれます

マウスを動かしたときの例

例えばマウスの移動を考えると、マウスのセンサーがあなたが動かした分の数値をコンピュータに送信します。すると CPU の付近に現状のマウスカーソルの位置とマウスが動いた差分が読み出されて、足し算が実行されます。そして、結果をマウスカーソルの値として、新しく書き込みます。その後、あなたが見ている画面にマウスカーソルの位置として反映されます(非常に高速なので通常時は遅れを感じることは難しいでしょう)。

クリックしたときの例

直感的すぎて疑問を持つことはないかもしれませんが、クリックについても同様で、何かページを開く場合も現在マウスがある位置に割り当てられた URL が読み込まれ、コンピュータの内部では open コマンドが叩かれています。このように巧妙に動作を人間側に寄せることによって、簡単に、単純に誰でもコンピュータが使えるように設計されているわけです。

OSとは

この辺りの基本的な機能や、ハードとソフトを繋ぐ部分を提供するのが OS(オペレーティング・システム)の仕事になります(本当はもっとたくさん仕事がありますが、、、)。
OS の例は windowsMacOSスマホでいうとAndroidiOS が有名どころでしょう。アプリ等はこの OS の上で動くので、アプリ開発者は OS にさえ対応しておけば、個別の端末・ハードについては OS を通りして操ることができるので、非常に開発が楽になります。CPU への基本的命令は種類が少ないので、数桁の0と1で表現できます。また、読み出し・書き出し場所も当然0と1で表現できます。

最後に

このようにして、0と1からデータの保存も処理も実行できることをみてきました。共通して言えることは0と1を読むためのルールを整備することによって、0と1の列は意味を為し、どんな数字でも文字でも、画像でも動画でも表現できるようになります。
小さな論理の組み合わせで、夢のような機能が実現されていることをわかっていただければ、d-soloとしては非常にうれしいです。

あなたの強み、言葉にできますか?

こんにちは、d-soloです。今回は人それぞれ持つ「強み」について、語っていきたいと思います。よく面接で聞かれる言葉だと思います。「自分の強みくらいわかってるわ!」と思っている方も多いと思いますが、その場合はぜひ言葉にして書き出してみてください。その根拠と、人生にどう活かしていくか、そして好きなことと結びついているかも一緒に書いてください。これができれば、本記事を読む必要はありません、ぜひ他の記事を読んでみてください。
なぜ私が強みについて語るかというと、楽しく生きることと非常に密接に関係しているからです。もっと具体的にいうと、自分の力を発揮している、まさにその瞬間に「楽しみ」や「幸福感」を感じることができるからです。こういう状態のことを“フロー”と呼んだり、スポーツの世界だと“ゾーン”と呼ばれたりしています。1人でも多くの方に、強みの重要性について理解してほしいと思い、本記事を書いています。
本記事では以下のようなコンテンツです。まず、なぜ私たちが自分の強みをうまく意識できないのかについて説明します。次に強みを意識するための具体的な3ステップ、最後にd-soloからのメッセージを話します。では、いきましょう。

なぜ強みを意識できないか

結論を言ってしまうと、自分にとって自分の行動は普通・平凡に思えてしまうから、です。基本的に人間は、自分のコミュニティの中の人としか密に話しません。そのため、自分の周りの人々(多くても数十人でしょう)を世界の全てのように認識してしまいます。言い換えると、かなり局所的な部分を全体だと誤認することにより、色のついた眼鏡をして自分のこと見ている状態になってしまっています。この眼鏡を外すのは非常に難しいです。私にとって非常に役に立った例をあげると、留学して異文化に触れたことや、知り合いに付き合ってもらい強みについて説明する練習をすることなどがあります。が、なかなかハードルが高いと思います(効果は大きいと思いますが…)ので、1人でできるものも提案します。今までしてきたことの中で100人に1人の結果を残したことはありませんか?学生ならば文化祭・部活、社会人ならば販売実績や企画など。また、人に褒められたり、感謝されたエピソードはありませんか?これらを書き出して、一本の筋が通るストーリーや背景を考えてみてください。後付けでも全然大丈夫です。当たり前だと思っていたが、よくよく考えると自分の芯になっているな、思えるものが見つけることができたら完璧です。

強みを意識するための3ステップ

ステップ1:自分の強みを短い単語や文で、明確な言葉にできる

ここが一番大切なステップになります。いきなりバチッとしたものを決めるのは難しいので、ステップ2やステップ3で詰まったらこのステップ1を修正してみてください。考え込まずに何パターンも候補を出してみてください。そこから後ろが繋がりそうなものを深堀りしていけばOKです。初めから完璧を目指さないでください。

ステップ2: 強みがどういうときに活かすことができるか、周りにどんな影響を与えることができるかを説明できる

できるだけ具体的に強みの活用例をあげてください。これで有用性を確認するわけですが、自分の中だけで閉じないでください。周りの人との相互関係も同時に考えてください。これによって、強みの有用性は何倍にもなります。自分一人でできることはたかが知れています。どうやって増幅するかを考えてみてください。

ステップ3: 強みを活かして、どうありたいか。ゴールではなく、姿勢を明らかにできている

この部分はよく勘違いがあるので、しっかり説明します。よくゴール・目標について設定しようといいます。短期目標は重要だと思いますが、自分の人生を考えたときには達成したら終わりのものよりも、どういう状態で毎日を過ごしたいかの方がより重要であると思います。英語で言うと、do ではなく、be が重要ということになります。

d-solo の例

ここまでは抽象的でわかりにくいと思いますので、私の例を示します。私の強みは突き詰めて物事を考えることです。研究では根底となる理論から組み立ててからプロジェクトを進めるので、論理的な穴が少なくなります。自分と関わった案件に対しては論理構造を整理することによって、達成目標と行動予定を整合させていきます。このブログのように自分の考えをツールキットとして説明することができるので、最終的には自分が直接関わらなくても、周りの人が論理構造を考えるようにすることができます。この強みを活かしながら、知的好奇心を満たし続けたいと思っています。また新しい発見を周りに伝えながら、楽しく生きていきたいと思っています。
といった感じでしょうか。他にも主体性・行動力なども説明できます。

d-soloからのメッセージ

世界も自分も常に変化しています。芯の部分は変わらなくてもよいですが、強みに関して定期的に修正を繰り返すことが重要です。自分の根底となる部分について、考える機会を持つことは人生の満足度を上げるうえで、欠かせないステップになります。
もっと深く、人生について考えたい人には、スティーブン・R・コビィーさん著の「7つの習慣」がおすすめです。自分との向き合い方について3つ、他人との向き合い方について3つ、これら6つの習慣のアップデートについて1つ、計7つの習慣が説明されています。この本についての解説も後日やるかもしれません。
最後になりましたが、メッセージで締めたいと思います。未来のことは誰にもわかりません。だからこそ、今やりたいことに本気の情熱を向けてください。失敗したって大丈夫です。個人で非常に多くのことができる時代になりました。何もしないことこそ最大の失敗です行動を積み重ねることが、あなたを支える強みになります。多くの人が幸せに今を生きられることを祈っています。

データサイエンスの面白さ ~元サラリーマン 研究者が語る~

こんにちは、d-soloです。今回は私が愛してやまないデータサイエンスについてのお話です。近年とても注目度の高い分野であり興味はあるが、いまいち統計学との区別がつかない、という方が多いのではないでしょうか。本記事では、複雑な話には触れずに、データサイエンスの何が面白いのかにフォーカスして説明します。つまり、AI関連の研究者が、一般の方向けに話すデータサイエンスの話と思ってもらえればOKです。

データサイエンスがここ10数年で爆発的に伸びている背景は大きく2つです。この流行を第3次AIブームと言ったりしています。

  1. カメラなどのセンサーやインターネットの発達によって、大量のデータを正確に集められるようになったこと。
  2. コンピュータも進化し、今まででは非現実的だった処理も可能になったこと。alphaGo(囲碁のAI)がプロ棋士に勝つようになったのもコンピュータのパワーアップの産物です。

以上を背景として、今回はデータサイエンスの花形である機械学習について簡単に説明して、データサイエンスの面白さを語ります。それから、なぜ破壊的な影響力を持つのかを他の分野との違いから説明します。最後に、データサイエンスとどう付き合っていくべきかを話そうと思います。ではいきましょう。

機械学習ってなに?

結論から言ってしまうと、人が実社会のデータを説明するような関数の雛形を考えて、実際のデータに雛形をフィットさせることです。抽象的なので、具体例を出します。(0,0)、(1,2)、(2,4) という点が与えられたとき、これらの点の雛形は f(x)=ax で a=2 という予測が立ちます(f(x)=2x+sin(x)ももちろんありえますが)。この例では点がデータ、f(x) が学習する関数になります。実社会の問題はもっともっと複雑で様々な要因が絡まっています。そのため研究者はできる限りノイズを除去しながら、完璧にはわからないまでも雛形 f(x) を予想します。実際のデータに f(x) を適用して、データに合うように関数を調整します(例では a の値)。この過程を学習と呼びます。

データサイエンスの面白さとは

まず、一般的な学問の面白さは「世の中はこうなっているのではないか、と予想・仮定し、数学等を駆使してアルゴリズム(手順)を作り、実際に実験して検証すること」です。データサイエンスの他のとの違いは、ドッグイヤーであることです。犬が人間の歳に換算すると7倍早く老化することから、このように言われていますが、IT業界の変化は他業種に比べて7倍早く進んでいます。変化が激しく、常にワクワクできることがデータサイエンスの特に面白いところです。また研究成果の情報公開も多く、世界全体で情報技術を推進しようという気風があるところも面白いところだと思っています。

なぜ破壊的な影響力を持つのか

これは他の分野との違いを考えることで見えてきます。

強み1:複製・拡散のコストが圧倒的に低い

プログラムや画像、動画は簡単にコピーできる上に、一瞬で全世界にインターネットを使って送信することができます。他分野の例として衣服を考えると、まず数を増やすには原料を純粋に増やす必要があります。量や輸送距離が増えると輸送コストが増します。このようにデータであれば、全世界をターゲットにすることができます。

強み2:個人個人にフィットした(パーソナライズした)ものを簡単に用意できる

YouTubeのホームが画面を思い浮かべてもらえるとわかりやすいと思います。それぞれの視聴履歴から最適な画面が作られているはずです。これはたくさんの利用者のデータを使って、学習した結果です。これもデータ特有で、例えば衣服の例をもう一度使うと、一人ひとりに最適なサイズの服を提供したいですが、多くのパターンを作れば作るほどコストがかかってしまいます。このパーソナライズを自動でかつ、高精度で行えることが強みになります。

最後に

もうみなさんお分かりだとは思いますが、あえて言うと、データサイエンスはこれからさらに伸びていきます。データサイエンスをやるかどうか、ではなく、どう活用していくかを検討しなければ時代遅れになっていくでしょう。少し、会社に向けてのメッセージのようになってしまいましたが、これは個人についてもあてはまります。AI の学習がどうこうと議論するのもいいですが、私たちこそ変化の激しい時代で学習を繰り返し、自分自身をアップデートし続けないといけないのではないでしょうか?学校で学んだ知識や、自身の業務で得た知識だけで、世の中の変化に対応できない時代です。新しいものを否定せずに、手に取ってみましょう。

【解説】自分の中に毒を持て(人生の成功とは)

こんにちは、d-soloです。いきなりですが、あなたは「生き方」というものを明確に意識していますか?本記事が、生き方についてで少しでも考えるきっかけになれば幸いです。

あの太陽の塔を作った芸術家の岡本太郎さん著の「自分の中に毒を持て」について語っていこうと思います。d-soloにとってこの本は、勇気をくれた本です。読んだのはホワイト企業を退職したあとでしたが、自分で生き方を選ぶと決めた私には、まるで「それでいいんだ」と背中を押してもらっているような感覚でした。

生き方について悩んでいるサラリーマンや、やりたいことがない学生に、現代で "生き抜く" とはどういうことなのかを真剣に考える機会になればと思い、本記事を書いています。まず、現代の日本人がなぜ懸命に生きれていないのかについて2点解説し、次にこの本のメッセージを要約し、最後にd-soloからの補足とまとめになります。ではいきましょう。

懸命に生きれていない理由

その1:本当の人生の勉強していない

学生は自分が本当に勉強したいということをあまり勉強していません。受験勉強やらで学生時代の形式的な勉強さえしていればよい、というふうに考えている人が多いのではないでしょうか。これでは「勉強」というものを嫌いになってしまう人が多いのも肯けますし、人生うまくやろうなんて卑しい根性が出てきてしまいます。これでは結局、誰かの思惑に乗ることになり、気がついたら社会のベルトコンベアの上に乗せられてしまいます。

その2:自分の人生を生きていない

何か大きな決断をするときに、誰かの目を気にしていませんか?たとえば、親の顔色をうかがって就職して、親の人生をなぞって、そんな人生に100%の責任を持てるでしょうか。今の日本では、みんなが自分のちっぽけな安定・安寧の中にはまりきって、それをひたすら守ろうとするような空気感が蔓延しています。自分の向かう先は自分で決めていないと、それに情熱を傾けることはできません。

この本のメッセージ

生き抜くためにすべきこと

結論から言うと "瞬間瞬間を生きる" ことです。ちょっと抽象的すぎるので、具体的にすると、自分で決めたことを実行することです。どんな些細なことでもいいですので、やってみることを決意してください。そして、実際にやってみてください。それだけでいいんです、いや、それだけしかないんです。いつだって今この瞬間にやるかやらないかです。"現在に充実すること" これこそが生きるということなのです。「いずれ」なんていう人は、現在に責任を持っていません。

成功とは?

この本で私がいちばん、感動したところです。

「人間にとっての成功とは、結局のところ、自分の夢に向かって自分がどれだけ挑んだか、努力したかどうか、ではないだろうか。夢がたとえ成就しなかったとしても、精いっぱい挑戦した、それで爽やかだ。」

本を読んでいる手が震えました岡本太郎さんの強い魂を感じた気すらしました。自分の成功の基準を誰かの手に委ねないでください。自分で決めた人生を真に貫こうとするとき、切実にあなた自身と向き合わないといけません。なぜなら、己が最大の味方であり、また最大の敵でもあるからです。"夢" に向かって努力、というと難しいように聞こえますが、本当に小さなことでもいいです、失敗もたくさんして大丈夫です。その過程こそが成功であり、明日も生きる意味になります。

最後に

なんとなく生きていませんか?

先に断っておきますが、流されて生きることが悪いことだとは全く言っていません。それは人の好みだと思っています。ただ、誰かが作った商品をひたすら消費して、誰かが作った会社の、誰かが作ったシステムに従って労働し、その時間に応じて支給されるお金を使って生きてください。現代では生物学的に生き残るだけなら、難しいことではありません。それでは満足できないという人は「自分の中に毒を持て」をぜひ読んでみてください。そして、自分の人生と向き合ってみてください。試しに自分の成功とは何かを紙に書き出してみてください。何事も小さな一歩からです。

まとめ

世の中には変わりたいと思いながらも、あれこれと理由をつけて行動しない人がほとんどだと思っています。私自身、会社を辞めたり、新しい環境に飛び込むときに不安や葛藤がありました。ストレスで味覚がおかしくなった時期もありました。だからこそ、このブログを通して自分と同じように悩んでいる人の背中を押す活動をしています。少しでも多くの方が充実した日々を送れることを祈っています。